
~前回までのあらすじ~
雇止め通告を受けた筆者は、雇止め事由が存在しない事を会社側に示すため2ヶ月間仕事に打ち込んだものの、結局また雇止め通告(1ヶ月前通告)を受けてしまいました。
状況を整理
会社が自分を雇う気はもう全くないという事がわかり、さっそく弁護士さんに依頼する準備にとりかかります。
まずは
時系列の作成と、録音した面談音声の文字起こしをすることにしました。
法律相談って、ネットで調べるとだいたい1時間で数千円~1万円という価格帯が多くて、庶民にとってはなかなかのお値段なのでございます・・・。
最初の30分だけ無料という事務所も多いですが、30分なんてあっという間に過ぎてしまうでしょうから、弁護士さんに効率よく状況を説明するためにも上記は必須の作業といえます。
自分自身も、相手や自分が何を発言してどう対応したのか頭の中で整理できるので、時間がある方はやっておいた方が良いですよ。
ちなみに音声データは反訳書と呼ばれる文書に起こしておかないと、 証拠として裁判所に提出できません。
証拠提出の段階になって慌てて全文起こすのも嫌ですし、文字起こしは早めにやっておくに越した事はないです。
時系列の作成
まずは、事の顛末を時系列で1つにまとめました。
↓こんなイメージで書き出していきます。(※内容はフィクションを含みます。)

↓書く際に意識したポイントはこちら。
- 日にち、できれば時間も記入。
- 誰が何をしたのか、第三者から見てわかりやすく書く。
- なるべく主観や憶測が入らないように、事実を簡潔・端的に書く。
- 重要な事実かつ書き出すと長くなりそうな部分は、①など番号を振っておいて別紙に詳細な出来事、セリフを書く。
人によっては必要ないかもしれませんが、長丁場になっている人には作成することをオススメいたします。
筆者の場合、遥か昔の出来事さえも掘り起こされて雇止めの理由にされていたので、上記の2倍くらいのボリュームになってしまいました・・・。
文字起こし
次は、文字起こしです。
↓イメージとしてはこんな感じ。(※会話内容はフィクションを含みます。)

会社ノートPCを使うとログが残りそうなので、筆者は私物PCでデフォルトのメモアプリ、Wordと互換性のあるオフィスソフト(OfficeSuite)で作成しました。
↓作成の際に注意したポイントはこちら。
- なるべくドモリや咳払いなどもそのまま記載(素起こし)する。
- 行数や経過時間、発言番号などを記載する。
- 余白を十分とって、読みやすいレイアウトにする。
- 記号は「?」のみ使う。
- 保存はdoc,docx,pdfなどで、容量も小さく。
- 音声データは加工しない。
「うーん」「えーっと」など意味のない言葉を除く作業をケバ取りと言うそうですが、言葉をむやみに削除すると証拠として却下されてしまう場合があるそうです。
なるべく一字一句そのまま書き起こす素起こしで仕上げましょう。
(弁護士さんに見せるだけならケバ取りの方が読みやすいかも・・・?)
また行数や経過時間をつけると、文面でのやりとりで第三者が参照しやすいです。
証拠として提出する時、弁護士さんに見せる時には必ず記載しましょう。
ちなみに反訳書に決まった形式はないそうですが、恣意的な表現にならないように使用する記号は「?」だけにするという情報も見受けられます。
読みやすく、客観性を保つように作成するのが良さそうですね。(→参考サイト)
メールなどで共有する時は汎用性の高いdocxやpdfに変換して、2MBを越えない容量にしておきましょう。(事務所とかで使っているパソコンって結構古かったりしますからね・・・。)
コンビニプリントなどで印刷する場合は、対応している形式(pdf,jpgが多いです。)で保存しておきましょう。
それから、音声データはトリミングや加工などしないように注意しましょう。
時々音声データを偽装工作してくる輩がいるらしく、裁判所に改ざんの疑惑を持たれてしまうかもしれません。
ちなみに文字起こし作業は、めちゃくちゃ時間がかかります。
たった1時間の面談を文字起こしするだけでも、半日~丸一日くらいは余裕で潰れます・・・。
試しに1時間の面談の文字起こしを文字数カウンターで測ってみたら、1万3000字(!)もありました。
このボリュームを録音する度にやるような感じなので、途中からデータ入力バイトでもやってるかのような気分になってきます。(お給料ほしい。)
一応業者に依頼するという手もありますが、やはり節約したい方が大半かと思いますので、早めに取り組んで片付けちゃいましょう。
当時のことを思い出してしまう文字起こしはなかなか精神的にも辛く、キーボードを打ちながらウルッと来てしまったことも何度かありました。
弁護士さんに依頼できる場合、もしかしたら文字起こしが一番申立人にとって大変な作業かもしれません。
ただ、会社に対する怒りが、それを物ともしないくらいの大きなパワーと行動力を自分にくれました。
普段は面倒臭がりでなかなか体が動かない筆者も、この時ばかりは若手敏腕セールスマン並みの推進力があったのではないかと思います。
いつもこのくらいパワフルに仕事出来たらなぁ


