
~前回までのあらすじ~
雇止め通告を受けた筆者は、雇止め事由が存在しない事を会社に示すため黙々と仕事に打ち込みますが、徐々に体にも不調をきたすようになっていきました。
雇止め1ヶ月前
あっという間に時が経ち、再び契約更新の時期がやってきました。
いつも通り仕事をしていると、ちょうど契約が切れる1ヶ月前、定時1時間前くらいに人事Bから会議室へ呼び出されました。
人事B「社長と上司Aに確認をお取りしましたが、再度の契約はないとのことです。」
筆者「(・・・あー、やっぱりか。)」
上司Aは「時間を取る予定はない」とか言っていましたが、一応人事Bの方は労働基準法を守ってきっちり1ヶ月前通告をしてきた形です。(どっちなんだYO・・・)
労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第十四条第二項の規定に基づき、有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準を次のように定め、平成十六年一月一日から適用する。
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=73aa5469&dataType=0&pageNo=1
(雇止めの予告)
第一条 使用者は、期間の定めのある労働契約(当該契約を三回以上更新し、又は雇入れの日から起算して一年を超えて継続勤務している者に係るものに限り、あらかじめ当該契約を更新しない旨明示されているものを除く。次条第二項において同じ。)を更新しないこととしようとする場合には、少なくとも当該契約の期間の満了する日の三十日前までに、その予告をしなければならない。
(平二〇厚労告一二・一部改正、平二四厚労告五五一・旧第二条繰上・一部改正)
もちろん理由が不明確なので、再び雇止めの理由を訊ねました。
人事B「需要がないとの事で・・・◯◯さん(筆者)がいなくても仕事が回っていくので」
筆者「(・・・はい?)」
なんと、今更整理解雇のような事を言い始めました。(そして軽い)
別の記事(解雇権濫用法理の4)でもお伝えしましたが、軽微な理由をたくさん挙げるだけでは正当な雇止め理由にはなりません。
筆者「最初は『言い訳するから』『命令違反をするから』って話だったかと思いますが・・・」
人事B「そこが延長したお話ではないのではと私は思います。」
筆者「(じゃあ今までのやりとりは何だったんだ・・・?)あの、仰ってる意味がよくわからないんですが・・・」
人事B「何がわからないかな?」
筆者「・・・(イラッ)」
こちらを完全にナメているご様子。
こっそりスマホアプリのボイスレコーダーを忍ばせながら、反論をしてみます。
筆者「雇止めの基準はどこにあるんですか?」
人事B「それは私にはわかりません」(←わからんのか~い)
筆者「上司Aの好き嫌いで決めてるんじゃないんですか?」
人事B「上司Aはそんな人じゃないですよ」(←根拠は?)
筆者「でもこの2ヶ月間、問題なく過ごしてたじゃないですか。何を基準にしてるんですか?」
人事B「それは、また一緒にお仕事したいと思うかどうか。◯◯さん(筆者)にお願いしなくても仕事が回るので・・・」(←100%好き嫌いやんけ)
啖呵切ってるわりに、何を聞いてもフワッとした答えしか返ってきません。
最終的には「私は事務的な話をしているだけ」と、責任逃れです。
途中で付けられた不更新条項への対抗策
上記のように不毛なやりとりが続きましたが、この面談でも証拠残しを試みておりました。
以前弁護士ポータルサイトに登録した時に、弁護士さんに不更新条項入りの契約書にサインしてしまった事を相談していました。
その時にいただいたアドバイスが、「不更新条項入りの契約書にサインするか、今の契約で辞める(今すぐ雇止めになる)かの選択を迫られていた事実を証拠に残すことが出来れば、裁判で有利になる」というものでした。
面談中、ちょうどその話題になったタイミングがあったので実行に移します。
筆者「今すぐ雇止めになるか、不更新の契約書にサインするか、どちらかだって言われてましたよね?他に選択肢はないと・・・」
人事B「うん」
・・・意外とあっさり認めたなぁ、と不安に思いつつも、とりあえず証拠残し完了です。
雇止め理由については、筆者が上司Aに直接理由を聞くという事で、面談は終わりました。
雇止め理由証明書を求める
理由証明書の発行は、雇止めであっても以下のように義務付けられています。
労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第十四条第二項の規定に基づき、有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準を次のように定め、平成十六年一月一日から適用する。
(雇止めの予告)第一条 使用者は、期間の定めのある労働契約(当該契約を三回以上更新し、又は雇入れの日から起算して一年を超えて継続勤務している者に係るものに限り、あらかじめ当該契約を更新しない旨明示されているものを除く。次条第二項において同じ。)を更新しないこととしようとする場合には、少なくとも当該契約の期間の満了する日の三十日前までに、その予告をしなければならない。
(平二〇厚労告一二・一部改正、平二四厚労告五五一・旧第二条繰上・一部改正)
(雇止めの理由の明示)
第二条 前条の場合において、使用者は、労働者が更新しないこととする理由について証明書を請求したときは、遅滞なくこれを交付しなければならない。2 期間の定めのある労働契約が更新されなかった場合において、使用者は、労働者が更新しなかった理由について証明書を請求したときは、遅滞なくこれを交付しなければならない。
(平二四厚労告五五一・旧第三条繰上・一部改正)
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=73aa5469&dataType=0&pageNo=1
口頭だと雇止め理由がコロコロ変わっていってしまうので、後日上司Aに「雇止め理由証明書をください」と、メールで催促してみました。
メールならスクショで証拠残しも簡単です。
すると上司Aは、「人事Bから連絡がいきます。」とだけメールで送ってきました。
・・・逃げるおつもりか?
しばらくすると、人事Bから「更新しないことは契約書で合意されてるので雇止めではない。だから雇止め理由証明書の発行も必要ない」「契約書の内容が最終的な結論です」とメールが届きました。
・・・いや、契約書にサインした面談で思いっきり「雇止め」って言ってたし。
契約書交わした後に「今後どうするか判断する」って言ってましたし。
なんかもう、人間不信になりそうでした。
口頭でいくら話し合ってても、証拠がないとこうやって平気で無かったことにして、しらばっくれるのだから。
やはり、録音をしていなかったのが痛いです。
てか、合意してようがいまいが更新拒絶で期間満了にしてたら、それは雇止めです。
それからこの時わかったのですが、どうやら会社は社労士に相談しながらこちらとやりとりしていたようです。
あちらからしたら、すでに筆者は問題社員という位置づけなんでしょうね。
結局会社は考えを変えず、筆者を安全に厄介払いする事しか考えていなかったというのがわかりました。
さすがにもう会社を信じることはできません。
いよいよ、労働審判に向けて舵を切り始めた瞬間でした。

人事Bの声小さすぎ問題
ちなみに人事Bはあまり声を張らない感じの人なので、無料アプリの簡単ボイスレコーダーでは一部音声を拾う事が出来ませんでした。(1時間の面談で約30ヶ所!)
声の小さい人が相手方にいる場合は、けっこう気をつけた方が良いかもしれません。
苦労して手に入れた証拠が水の泡になってしまっては悲しいですからね・・・。
余裕があれば、面談中「音拾えてないかな?」と思った時に聞き返すと良いかと思います。
あと、録音した音声を家で聴いてみたら、自分の声がめっちゃ弱そうで衝撃でした。
「そ、それはk・・・き、基準は、どこにあるんですか・・・っ」
って感じで、へなちょこです。
頭の中ではもうちょっと毅然とした態度で言ってたと思うんだけどなぁ・・・。

なかなかドラマみたいにバシッと格好良くは言えないものですね・・・笑

