
~前回までのあらすじ~
再び雇止め通告を受けた筆者は労働審判に向けて動き出し、書類を準備して法律相談のアポを取りました。
法律事務所へ
事前に作っておいた書類を持参し、指定された日時に最寄りの駅に降り立ちます。
予約した法律事務所の立地は、いわゆる”人が住む場所ではない”アクセス抜群のオフィス街にあるようでした。
Googleマップを見ながら辿り着くと、そこは年季の入ったごく普通のテナントビルという感じでしたが、入り口はしっかりオートロックで、防犯カメラも何台か付いていました。
到着の連絡をすると、予約を入れさせてもらった弁護士さんご本人が入り口まで迎えに来てくれました。
ネットで見た自己紹介ページの印象と比べると、ちょっとドライな印象でした。
法律事務所まで案内され中に入ると、これまたごく普通の貸しオフィスという感じで、右側のスペースでは事務員さんか弁護士さんらしき方が、何やら書類の作業をしているご様子。
左側のスペースにあった、6人がけの楕円テーブル席で少し待つように言われたので、とりあえず部屋の中をまじまじと見渡してみました。
弁護士さんと聞くとちょっとゴージャスなイメージが浮かんできますが、内装にお金をかけている様子は全くなく、
いたって質素です。
ただ、本棚を見てみると法律関係の分厚い本が図書館のようにズラーっと並んでいて、「あぁ、本当に自分は法律事務所に来てしまったのか・・・」と実感が湧きました。
ヒアリング
しばらくするとまた弁護士さんが現れ、名前、住所、相手方の名前、相談内容などを用紙に記入し、ヒアリングが始まりました。
「契約期間はどのくらい?」「この時送られてきたメッセージって今見られる?」など1つずつ訊かれて、恐る恐る答えます。
お相手が弁護士さんというのもあってか、筆者はガチガチに緊張してまな板の鯉という感じでした。
この時、筆者の場合は雇止め問題が数ヶ月に渡ってくすぶっていたので、持参した時系列はけっこう役に立ちました。
文字起こしは印刷したら結構な量になったので、実際に行われた会話を参照する程度に使用しました。
それと重要なメールのやりとりなんかは、私物スマホに転送しておくと、すぐに弁護士さんに見せられたので良かったですね。
口頭だと一字一句正確に伝えられないので、データや書類で見せるのが一番です。百聞は一見に如かず。
あとは雇用契約書も持っていきました。
筆者が法律相談をした事務所ではコピー機が置いてあったので、原本を事務所の方でコピーしてもらいました。
(この時筆者は持っていきませんでしたが、人事評価や給与明細も持っていった方が良いかもしれません。)
一通り事情を説明し終えると、弁護士さんが雇止めに関わる条例などをプリントで教えてくださり、筆者のケースではどういう所が争点になるか等の説明をしてくださいました。
書類で見てわかる部分については「たぶん大丈夫」という感じで意見を頂戴したのですが、実際の勤務態度など主観が入りそうな部分については、特に「大丈夫だろう」とも「厳しい」とも言われなかったです。
最後に、費用や争い方について説明を受けました。
こちらの法律事務所の場合、着手金10万円、成功報酬は獲得金の20%(復職なら半年分の給与20%)となっていて、他に収入印紙代や諸経費に若干お金がかかるとのことでした。
争い方については、大きく分けて訴訟と労働審判があり、それぞれの特徴について簡単に説明を受けました。

委任契約の締結
あっという間に30分が経過し、さて、契約どうしましょうという段階になりました。
もちろんすぐに決める必要はなく、先生にも「複数箇所でご相談されてる方も多いですし、家でゆっくり考えていただいて大丈夫ですよ」と仰っていただきました。
予約を入れた時に拝見した自己紹介文はわかりやすかったですし、依頼者側の不安や心理などもよくわかっていらっしゃるような印象・・・。
費用もネットで見かけた他の事務所と比べて安そうだし、こちらからの質問にもスパッと丁寧に答えていただいている・・・。
思っていたよりポーカーフェイスな方だったけど、それはそれで依頼者を無駄に期待させない感じで信頼がおけるかも・・・。
早いとこ次に進みたいなぁという気持ちもあって、その場で委任契約をすることに決めました。
ハンコを持ってきていなかったので、委任契約書は後日郵送することになりました。
持参した時系列や文字起こしなどの書類をそのまま先生に渡し、初回法律相談30分無料+契約する場合は無料とのことで、お金は払わず事務所を後にしました。
やっと会社との闘いに向けて一歩踏み出し始めたことに一種の清々しさを感じながら、帰り道を歩いていきました。
・・・そういえば法律相談中、筆者が証拠を見せるのに手間取っていたら「あ、時間かかりそうなら簡単に口頭で説明していただければ大丈夫ですよ」と言っていただいたのですが、30分で終わるように配慮してくださったのかなぁ・・・と、後になって気づきました。

初っ端で良い弁護士さんに当たったようで、嬉しかったです

